AWSの基本的なしくみ

AWS(Amazon Web Services)は、世界最大級のクラウドサービスプラットフォームとして、企業や個人に幅広いソリューションを提供しています。このセクションでは、AWSの基礎的な仕組みと重要な概念について解説します。
目次
仮想化を理解する
仮想化とは、物理的なハードウェアリソース(サーバー、ストレージ、ネットワークなど)をソフトウェア的に分割・抽象化する技術です。
これにより、1台の物理サーバー上に複数の仮想マシン(VM)を動作させることが可能になり、リソースの効率的な利用、コスト削減、柔軟な管理が実現します。
AWSでは、仮想化技術を活用して、EC2インスタンス(仮想サーバー)を提供しています。これにより、ユーザーは物理サーバーを意識することなく、必要な計算リソースをオンデマンドで利用できるのです。
仮想化のメリット・デメリット
仮想化のメリット
- コスト削減
- 物理サーバーの台数を減らせるため、ハードウェア購入費、設置スペース、電力・冷却コストが抑えられます。
- リソースの有効活用
- 1台の物理サーバーを複数の仮想マシンに分けて使えるので、CPUやメモリを無駄なく活用できます。
- 柔軟な運用
- 仮想マシンはソフトウェア的に管理できるため、簡単に起動・停止・再起動・バックアップ・複製が可能です。
- 必要に応じてすぐにスケールアップ・スケールダウンできます。
- 障害対応が容易
- 仮想マシンのイメージをバックアップしておけば、障害発生時に迅速に復元・移行が可能です。
- テスト環境の構築が簡単
- 新しいシステムやアプリのテスト環境をすぐに作成でき、開発スピードが向上します。
- 運用自動化がしやすい
- 仮想環境ならAPIやツールでインフラ構築・運用を自動化(Infrastructure as Code)しやすくなります。
仮想化のデメリット
- パフォーマンス低下の可能性
- 仮想マシンは物理ハードウェアを共有するため、リソース競合が起きるとパフォーマンスが劣化することがあります。
- オーバーヘッド(余計な負荷)
- 仮想化ソフトウェア(ハイパーバイザー)がリソースを管理するため、その分わずかにオーバーヘッドが発生します。
- ライセンスや管理コストが発生する場合がある
- 仮想化ソフトウェアや管理ツールにライセンス料がかかることもあります。
- セキュリティリスクの増加
- 仮想マシン間で隔離されていても、ハイパーバイザーの脆弱性が悪用されるリスクがあり、従来とは異なるセキュリティ対策が必要です。
- 複雑な運用管理
- 仮想マシンが大量に増えると、管理対象が増えて運用が複雑化することがあります(スプロール問題)
クラウド基礎
クラウドとは、インターネットを介してリモートのデータセンターにアクセスし、ITリソース(サーバー、ストレージ、データベース、ネットワークなど)を利用できる仕組みを指します。
クラウドの主な特徴には次のようなものがあります。
- オンデマンド性:必要なときにすぐ使える
- 弾力性(スケーラビリティ):リソースを増減できる
- 従量課金制:使った分だけ支払う
- グローバルアクセス:世界中どこからでも利用可能
AWSは、これらのクラウド特性をフルに活用できる代表的なプラットフォームです。
AWSサービスの概要
AWSには200以上のサービスがあり、代表的なカテゴリは以下の通りです。
- コンピューティング(例:EC2、Lambda)
- ストレージ(例:S3、EBS)
- データベース(例:RDS、DynamoDB)
- ネットワーキング(例:VPC、CloudFront)
- セキュリティとアイデンティティ(例:IAM、KMS)
これらを組み合わせることで、アプリケーション開発、データ解析、機械学習、IoTなど、さまざまな用途に対応できます。
AWSのグローバルインフラ構成
AWSは、世界各地に**リージョン(Region)とアベイラビリティゾーン(AZ:Availability Zone)**を持っています。
- リージョン:地理的に分散したデータセンター群(例:東京リージョン、オレゴンリージョン)
- アベイラビリティゾーン:リージョン内にある独立した複数のデータセンター
これにより、可用性・耐障害性・スケーラビリティが高まり、障害が発生しても別のAZに自動で切り替えられるなど、サービスの継続性が確保されます。
さらに、エッジロケーション(CDNネットワーク)を活用することで、世界中のユーザーに高速にコンテンツを配信する仕組みも整っています。
AWSの意義
AWSの意義は、企業や個人が以下のようなメリットを享受できる点にあります。
- 初期投資を大幅に削減できる
- システムのスピーディーな立ち上げが可能
- 規模の拡大や縮小を柔軟に対応できる
- 世界中に展開しやすい
- 最新技術(AI、機械学習、ビッグデータ分析など)に素早くアクセスできる
これにより、スタートアップから大企業まで、あらゆる規模の組織がイノベーションを加速させることができるのです。

プログラミング好き神戸在住でADHD 【 経歴 】ニート→職業訓練→独学→正社員→フリーランス→起業
現在はリモート案件 など フリーランスエンジニア 兼 株式会社ヲタクリエイト 代表
得意言語 PHP Javascript Python Dart
フレームワーク Laravel Vue.js Flutter
取得資格:基本情報技術者、情報セキュリティマネジメント