VPC(仮想プライベートクラウド)、EC2(仮想サーバー)、IAM(権限管理) の基礎知識

AWS, クラウド 🕒 2025年5月5日
             

VPC(Virtual Private Cloud)

AWS上に自分専用のネットワーク空間を作る機能。

主な構成要素:

  • VPC: ユーザー専用の仮想ネットワーク空間。
  • サブネット: VPC内のネットワークを分割する単位。パブリックサブネットとプライベートサブネットがあります。
  • インターネットゲートウェイ(IGW): VPCとインターネットを接続するためのゲートウェイ。
  • ルートテーブル: ネットワークトラフィックの経路を制御するための設定。
  • セキュリティグループ: インスタンスの入出力トラフィックを制御する仮想ファイアウォール。

この構成により、外部からのアクセスを制御しつつ、内部のリソース間の通信を管理できます。

たとえるなら

AWS内にある「あなただけのLAN」。

できること

  • IPアドレスの範囲(CIDR)を自由に設定
  • サブネット(公開用・内部用)の分割
  • インターネットゲートウェイ(IGW)でインターネットと接続
  • ルートテーブル、セキュリティグループ、ネットワークACLで通信制御

Webサーバーをパブリックサブネット、DBをプライベートサブネットに配置

VPC構成図

EC2(Elastic Compute Cloud)

AWSの仮想サーバー。好きなOS、スペックで構築できる。

主な構成要素:

  • EC2インスタンス: 仮想サーバー。必要に応じて起動・停止が可能。
  • AMI(Amazon Machine Image): インスタンスのテンプレートとなるOSイメージ。
  • EBS(Elastic Block Store): インスタンスに接続するブロックストレージ。
  • セキュリティグループ: インスタンスの入出力トラフィックを制御。
  • キーペア: インスタンスへのSSHアクセスを制御するための認証情報。

この構成により、柔軟にスケーラブルなサーバー環境を構築できます。

たとえるなら

借りて使える「クラウド上のPCサーバー」

主な設定項目

  • インスタンスタイプ(CPUやメモリ)
  • AMI(OSのイメージ)
  • EBS(仮想ハードディスク)
  • セキュリティグループ(ファイアウォール)

活用例

Webアプリ、バッチ処理、APIサーバーなどを動かす

EC2構成図

IAM(Identity and Access Management)

IAMは、AWSリソースへのアクセスを制御するためのサービスです。ユーザーやサービスに対して 「誰が」「何を」できるか を細かく設定する。

構成要素

  • IAMユーザー:人に割り当てるアカウント
  • IAMロール:サービスや一時的な権限付与用
  • ポリシー:JSON形式で操作の許可・拒否を定義

この構成により、セキュアで細かなアクセス制御が可能になります。

たとえるなら

AWSの「鍵と許可証システム」

使い方

  • 開発者にS3とEC2だけ操作可能にする
  • EC2にS3アクセス権を与える(ロールを使う)
IAM構成図1
IAM構成図2

それぞれの関係性(簡単な流れ)

  1. VPC内にEC2サーバーを設置
  2. EC2にロール(IAM)を付与して、たとえばS3へアクセスできるように設定
  3. ネットワーク的な制御(通信許可)はVPC内のセキュリティグループやルートテーブルで実施
AWS構成図全体